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下村湖人の「お母さんのかんじょう書き」より

下村湖人の「お母さんのかんじょう書き」より

画像の説明

【下村湖人の「お母さんのかんじょう書き」より】


賀県出身の小説家で、下村湖人という人がいます。

昭和10年代に「次郎物語」を書いた人です。

下村さんの作品の中に「心窓をひらく」という著書があり、

その中の「お母さんのかんじょう書き」という短編が光っています。



その中の一節です。

…進君は、学校へ出かける時、前夜書きつけた紙片を二つに折って、

お母さんの机の上にそっとおいて、学校へ出かけていきました。

その紙(紙片)には次のように書いてありました。

■かんじょう書き

1.市場にお使いに行きちん  10円
1.お母さんのあんまちん  10円
1.お庭のはきちん      10円
1.妹を教会に連れて行きちん  10円
1.婦人会のときのおるすぱんちん 10円

ごうけい          50円

    お母さんへ



進君のお母さんはこれをごらんになってニッコリなさいました。

そして、その日の夕食の時には、今朝のかんじょう書きと、

50円が、ちゃんと机の上に乗っていました。
 
進君は大喜びで、お金を貯金箱に入れました。

 
その翌日のことです。

進君がご飯を食べようとすると、テーブルの上に一枚の紙があります。

何だろうと思い、その紙を開いてみて、進君はハッとしたのです>>>

親の愛は、いつも見返りを求めない「無償の愛」

いてみると、それはお母さんのかんじょう書きでした。

■お母さんのかんじょう書き

1.高い熱が出てハシカにかかった時の看病代 ただ
1.学校の本代、ノート代、エンピツ代     ただ
1.まいにちのお弁当代             ただ
1.さむい日に着るオーバー代         ただ
1.進君が生まれてから、今日までのおせわ代 ただ

ごうけい                 ただ

お母さん
     進君へ


 
進君はこれを見た時、胸がいっぱいになって、

大粒の涙がもう少しでこぼれそうになりました。

そして、これからは、どんなにお手伝いしても、

お金はいらないと思いました。


 
大好きなお母さんのためには、自分のできることなら、

何でもしてあげようと思ったからです。



世界でたった一人の大事なお母さん。

こんなすばらしいお母さんを与えて下さった神さまに、

進君は心から感謝しました…。


以上のような一節です。



今だったら、このお母さんの「ただ」をうがって解釈されるかもしれません。

「進君、あなたはお金を請求するけど、お母さんなんか、

 もっともっと大変なことを、いつもただでやってあげてるのよ」

つまり、10円と0円とを、同じ土俵で比較して、

「あなたはダメよ、私をごらんなさい」という次元での解釈です。



ところが、この一文は、もっと素朴でもっと素直な解釈が通る時代のことでした。



世の中には、お金に代えられない価値があるということ、

見返りを求めない行為、「ただ」の中に無償の愛があるということ、

そんなことを「ただ」という一つの単語で諭したお母さんだったのでしょう。



進君もまた、素直な心があったからこそ「ただ」の意図を理解し、

大好きなお母さんを思って、泣きたくなったのだと思います。




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