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つい正直に言いそびれたことが大ごとになって…

つい正直に言いそびれたことが大ごとになって…

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【つい正直に言いそびれたことが大ごとになって…】



これは、もう今は90歳を超えた方(弘さん)の、子供の頃のお話しです。


が小学生の頃のことです。

学校帰りに「大助屋」という栗焼きを焼くお店がありました。


当時の栗焼きは1個2銭。

小遣いなんてもらうことのなかった昔のことで、

皆、生唾を飲みながら、店の前を通り過ぎていました。

皆、口癖のように「あーー、栗焼き喰いてえなあー!」と叫んでいました。



ある日のこと、久しぶりの炉端での団欒のとき、

「かかさん、栗焼きを食べてえなぁ。買ってけだんせ」

と、小学6年生の兄が母にねだりました。

「あ、そうだなぁ。たまには皆で食べようか」

母は機嫌よく、私に十銭持たせて、買いに出したのです。

栗焼き、食べられる。そう思うと、私は嬉しくなって、

破れかけた番傘を広げて、表へ飛び出しました。



「栗焼きを十銭でえけだんせ」

私は背伸びをして、大助屋のおじさんに銭を渡しました。

おじさんは太い指で、栗焼きを五個、新聞紙で作った袋に入れてくれました。



怪しかった空模様でしたが、いよいよ本降りになってきました。

傘の破れ目から雨水が垂れてきます。

私は浜通りの番小屋に入って、小降りになるのを待ちました。

栗焼きの甘い匂いと温もりが体中に伝わってきます。

腹がぐうぐう鳴り出しました。

私はたまらなくなって、つい栗焼きを一つつまんで頬張りました。



「うんめえーなあ!」


私は思わず叫んでいました。

自分の声に驚いて、周りを見ましたが誰もいません。浜に寄せる波音が静かでした。

家へ戻り、私が障子を開けると、

「遅いなあ!何していたんだ!」と兄が怒りました。

「まあまあ、雨が降ってたんだ。すかたがねえべえ。さあ、温かいうちに食べよう」

そう言って、母は私から袋を取りました。



「あれっ?弘、一つ足んねえがどうすた?」


私は一瞬、返事につまりました。

頭の中が空になって、言葉が出てこないのです。

「あ!おめえ、途中で一つ食べて来たなあ」と兄がわきから口をはさみました。

「おら、すらねえ。ほんどだ。大助屋の人が間違えで入れたべえす?」

と私は怒られるのが怖くなって、嘘をついてしまったのです。

疑いの目が私に集中しました。

「おめえたちゃあ、饅頭ひとつぐれえのことで、食べたの食べてねえのと言ってよ。

 かわいそうに、使いに出された弘はたまったものざあねえよな?」

と、ばばさんが私を庇ってくれました。

そして、ばばさんは、おれ、甘えものは好きじゃねえと言って、

奥の部屋に入りました。



だけど、納得のいかない母は、兄を使いに出して、大助屋へ文句を言いにやりました。

兄は走って出て行きました。

本当のことを言う機会を失った私は、茫然と海を眺めていました>>>

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がて兄が戻りました。


「かかさん、弘が言ったのは本当だったよ。

 大助屋のおんちゃんが間違えて、一つ足りなく入れたんだってよ。

 ほら、一つもらってきた」

兄は嬉しそうに栗焼き一個、母に渡しました。



「弘!弘!早くこっつさ来て食べろ。さっきは馬鹿なこと言って悪かったなあ」

母は照れくさそうに笑いました。



でも、私はたしかに番小屋で一つ食べたのです。

なのに、どうして、大助屋のおんちゃんは、自分が間違えたと言ったんだろう。



私は翌日、大助屋の店の前に立っていました。

「弘っこ。どうすた。こんな早くに。はあ、やっぱり昨日のことがばれて、

 義母さんに怒られたなあ。おめえとこの義母さん、怖いからなあ」



「そうざあねえ、おら、おんちゃんのおかげで助かった。

 だがよう、おんちゃんはおらが一つ食べたこと、どうすてわかったか」


「うん、そんなことは心配すんな。それより悪いことをすたど思ったら、

 正直に早く言うんだぞ。わかったか」

「おんちゃん、おら、銭がねえよ。だから…」

「だからどうする。馬鹿、ハハハ……、弘っこが大人になるまで待ってやるが。

 だがなあ、そのときゃあ、おんちゃんは、あの世さ行っているべ。ハハハ……」

大助屋のおんちゃんは、大きな口を開けて笑いました。

私はそのとき、こんな人が私の父さんだったらなあと思いました。

私の実の両親は、昭和初期に流行した感冒で亡くなっていたのです。

私は遠い親戚にあたる家で育てられていたのです。



感動シリーズ


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