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殴られて痛いから泣くんじゃない

殴られて痛いから泣くんじゃない

画像の説明
【殴られて痛いから泣くんじゃない】



これは、戦時中に出兵された方の、軍隊生活の一コマを述べられた記事です。


員整列!!」のかけ声がかかったのは、夜中の二時を過ぎた頃だった。

(……またか……)と、うんざりしながらも、初年兵達は、急いで寝台からはね起きた。



ガミガミと古参の上等兵が怒鳴っていたが、なぜ怒鳴られているのか、

誰もがよく分からなかった。

理由などは無いに等しい。



「飯盒(はんごう)」の並べ方が1センチずれているとか、

靴の底に、かすかに泥がついたままになっているとか、

ほとんど理由にならない理由で殴られるのが常だった。



「軍人精神を叩きこむため」という大義名分はあっても、実際には、

今はやりの「いじめ」とほとんど変わりなかった。



古参上等兵のAは、特にそういうことが好きで、何かというと、

すぐ初年兵を殴って喜んでいた。



そんな彼を、私はいつも心の中で、

(よほどいじけて育ったんだな……)という思いで眺めていた。



さて、全員を二回も三回も殴り回った後、さすがに手が痛くなったのか、

初年兵を立たしたまま、彼は寝台に腰をおろして一服した。

そして、ハッと、名案が浮かんだらしかった。

「全員、向かい合って並べ!」「向かい合った者同士で殴り合え!」

と命令したのである。

上官の命令は絶対である。



全員は、命令された通りにせざるを得なかった。



そのうちに、初年兵のKが声を立てて泣き出した。

「この野郎!!これしきのことで泣きやがって、そんなに痛いのかあ!!

 女々しい奴だ!!」とAが怒鳴った。



しかし、その後に続く初年兵Kの言葉に、小鬼Aの心がゆらいだ>>>

戦争は普通の人の心を小鬼にするのかもしれない

鳴りつけるAに対し、初年兵Aが言った。

「違うんであります」

「なに?何が違うんだ?!」とAが凄んだ。

「情けないんであります」

「何がだあ!!」


大切な戦友を、わけもなく殴らなければならない自分がであります」



アッ!と思うような言葉であった。

グッと胸に迫る言葉であった。



軍隊という絶対権力の場において、それを少しでも批判するということは、

よほどの勇気と信念を必要とすることである。


しかしながら、人間の心とは誠に不思議なものである。

小鬼Aの心のどこかに、この初年兵の言葉が触れたのであろう。



人間性などカケラもないようなAの顔が、その瞬間!!

驚きと当惑と混乱、

そして苦痛に変化していくのが、まるでコマ送りの動画のように、

はっきりと見えたのである。

Aはショックを受けたように、黙って寝台の中に潜り込んでしまった。



もうはや70年も前のあの時のAの表情を、今でも鮮明に私は覚えている。




感動シリーズ


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