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天国からやってきた犬

天国からやってきた犬

画像の説明
【天国からやってきた犬】



れは、二十数年前のお話しで、現在のペット事情とはやや違いがあるかと思います。
そこのところ、お含みおきください。



この手記を書いた女性(Sさん)は、実家からそれほど遠くないところに嫁がれた主婦の方です。



実家にはお母さんと、看護師の妹さんがいます。お父さんは、単身赴任で地方勤務でした。

実家には、お母さんが可愛がっている犬がいました。



ある日のこと、妹からSさんへ電話で知らせがはいりました。

お母様がクモ膜下出血で倒れたとのこと。



しかし、手術は無事成功し、幸い後遺症もなく回復に向かいました。

お母さんが入院している間、Sさんは実家と病院に毎日通いました。

実家には母の愛犬ムックがいます。



動物を飼っていると、一日でも家を空けられません。

妹は別の病院で、看護師をしているし、お父さんは単身赴任ということで、

お母さんの付き添いや、家事はSさんがやるしかありません。



ムックはお母さんがいないせいか、ますます人恋しいようで、

Sさんが行くと、とても喜んだそうです。



ある晩、実家に帰っていたお父さんが、

「ムックを保健所にやることにする」と目を伏せたまま言いました。



「どうして? ムックは家族と同じなのに」

母の代わりに世話しているうちにSさんにとっても、

ムックは可愛い家族の一員になっていたのです>>>

犬を保健所に託すということは、犬を殺すということ

父さんも動物好きだから、よくよく考えての発言だったのです。

実は、Sさんも悩んでいました。

お母さんが退院しても、ムックの散歩など、今までのようには出来ません。



それにお母さんが倒れたのは、過労が原因でした。

フルタイムでパートに出て、家事をこなし、

犬の世話もほとんど一人でやっていました。



ムックの世話は重労働だったに違いありません。

朝四時頃から、クゥン、クゥンと鳴いては散歩をせがみます。

戸を一枚隔てて、枕の向こうにムックがいるので、お母さんはいつも寝不足でした。

叱っておさまるわけでもなく、仕方なしに朝5時頃、

散歩に出かける日もあったようです。



Sさんは、お母さんの大変さに気づきながらも、手助けしてこなかった、

そのことを心から後悔しました。



そしてSさんは、何としてもムックの新しい飼い主を探そうと決心しました。



庭に出て、いつもより優しくムックを呼びました。

Sさんはムックの目を見ると、涙が止まらなくなってしまいました。



「絶対に死なせないからね」


Sさんは、ムックの頭を強く撫でながら言いました。

すると、ムックは少し困ったような顔をして、

Sさんの涙を一生懸命なめてくれたそうです。



そうこうしているうちに、お母さんの退院の日が決まりました。

結局、Sさんは、ムックをどうすることも出来ずにいたのです。



お父さんの言うとおり、保健所へやるしかないのだろうか。

複雑な思いで退院準備を整えました。


退院の日の朝のことです。

病院に出かけようとしてたところに、妹さんから電話が入りました。



「ムックがゆうべから帰ってこない」

妹さんの話によると、昨夜、夜勤に出るときに、

ムックを外に放したということでした。



朝、誰も散歩に連れて行けない時、そうしていたのです。

でも、いつもなら朝には必ず戻ってきてたのです。



Sさんは、急いで自転車に乗って、ムックを探しに出ました。

足がペダルにもつれそうになります。

ひさに力を入れ、心の中で祈りました。



「どうか無事に見つかりますように」



しばらく走ると、国道沿いの空き地に、犬が横たわっていました。

見慣れた首輪の赤い色が目に入りました。



ムックだ。



Sさんは自転車から飛び降りて、そばに駆け寄りました。

「ムック、何しているの。起きなさい」

涙でよく見えないけれど、間違いなくムックでした。

Sさんはあたりかまわず、大声で泣いたそうです。

でも、ムックは目を閉じたままでした。

体を触ると、すでに硬直しています。

家を出て間もなく、車にはねられたのでしょう。

体にはどこにも損傷はありません。

本当に眠るように死んでいたのです。


その日の夕方、お母さんは無事退院されました。

お母さんは、ムックに会うのを楽しみにしていただけに、

嬉しいはずの退院も、悲しいものになってしまいました。



Sさんは思いました。

もしかすると、ムックは自分から死を選んだのではないだろうか。

お母さんやSさんを困らせまいとして、お母さんが帰宅する前に、

自ら命を絶ったのではないか。



Sさんの涙をなめてくれた夜、ムックの目は悲しそうでした。

一緒に泣いているようにも見えたのです。



密かに何かを決意していたのかもしれない、そんな風にSさんは思いました。



またSさんは、こんな思いも巡らせました。

《以下引用》

よく考えてみれば、母が倒れたのは、ムックの世話が苦痛だったからではない。

母を手助けしなかった自分や妹に責任があるのだ。

皆、自分のことだけに精一杯で、家族のことを思いやるゆとりを失くしていた。

少しでも、母に心を配っていたら、こんな大きな病気もしないですんだはずだ。



もちろん、ムックも生きていたかもしれない。

ムックは、それを私たちに気づかせてくれたのだ。



もしかしたら、ムックは、それを使命として、

天国から私たちのところへやって来たのではないだろうか。

そしてまた、天国へ帰ってしまったのだろう。そんな気がしてならない。


参考本:心に残るとっておきの話・第二集(潮文社編集部編)



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