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本当のことを言ってくれたんだね

本当のことを言ってくれたんだね

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【本当のことを言ってくれたんだね】

学生のころの話です。

当時、輝(てる)はいじめられっこでした。

だからかもしれません。

自然、僕の方は輝とは疎遠になりました。



ある夏の日の午後、急に輝から電話がありました。

3時過ぎに公園で会えないかといった話でした。

僕は夏休みをもてあましていたので、会うことにしました。

公園にある池は、その頃の僕らにはとても大きくて、

一周するのに10分くらいかかったのを覚えています。

僕らはその間に話をしました。

ほとんど僕の方が話をしました。

曖昧に頷いていた輝が、突然僕の何かの言葉に逆らったのです。

今思えば、そんな輝に腹を立てたのかもしれません。


僕は乱暴にも、輝の首にかかったひも状の首飾りをひきちぎりました。

その先端には、青い石がついていました。

僕はそれを池の奥にある鬱蒼とした雑草の中に投げたふりをしました。

慌てた輝を見て、僕は楽しんだのです。

僕は一緒に探すふりをして、こっそりとポケットから首飾りを取り出しました。

「そこの木の根っこ、この辺りに落ちてたで」


僕は嘘をつきました。

輝は無言で受け取り、僕の顔を透き通るような目で見つめてきました。



しばらくして、首飾りを僕に押しつけました。



「これは大好きなおばあちゃんがくれてん。
 だからすごく大切なものなんや。おばあちゃん、いつも言ってた。
 いつも人に感謝しなさいって。だからこれあげるわ」



僕は無言で受け取りました。

急にその首飾りがすごく重く感じました。跳び箱を運ぶときよりも重く感じました。



「今日は急に呼び出してごめんな。僕は明日引越すねん。
 お父さんの転勤先で東京やって。今まで仲良くしてくれて、
 ほんまありがと。じゃあ」



僕は一人公園に残されて、夕闇を飛ぶ蝙蝠(こうもり)をぼんやりと眺めていました。

ただただびっくりしました。



あれから3年が経って、久しぶりに輝が帰って来るという知らせを聞きました。

これでほんとの友達に戻れました

でもお墓参りがあるらしいです。


輝と僕はまた池の周りを歩きました。

お互いの近況を聞きました。

中学の勉強はどうだとか、好きな子の話をしました。

夕暮れになりました。

別れ際に、僕は口火を切りました。

「あんさ、首飾り返すわ」


輝は前と同じように透き通るような目で、僕を見つめました。


「実は嘘やってん。俺は投げたふりしただけで、
 自分で拾ったふりしてん。ごめんな」


そのときの輝の顔を覚えていません。

僕は下を向いていたからです。



「本当のことを言ってくれたんだね。ありがとう」

ひまわりのような笑顔が眩しかったです。

その日から、僕らはまた友だちに戻りました。



参考本:人間っていいな!涙がこぼれるいい話
「感動物語」編集部編(コスモトゥーワン)



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