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生死の境を分けた、ほんの紙一重の呼びかけ

生死の境を分けた、ほんの紙一重の呼びかけ

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【生死の境を分けた、ほんの紙一重の呼びかけ】



れは日曜の朝、4時30分のことでした。

隣で寝ている主人の異様な声に、目が覚めました。

と同時に、全身汗びっしょりの主人の姿が目に入り、あわてて飛び起き、

ニ階へ行き、息子を呼びました。



22歳の長男は、この日も勤務でしたが、まだ時間が早かったのでよく眠っていました。

それでも私の異常な声にすぐ起き上がり、かけ降りるとすぐに救急車を呼び、

冷静、的確な対応を見せてくれました。



保険証を用意し、タオルを握り締め、救急車で近くの病院へ運ばれました。

日曜の早朝だったため人影はなく、病院の中は、しーんと静まりかえっていました。



当直の先生が見え、主人に具合をたずねながら診察してくれていました。



「さっきより少し落ち着いたみたいです」

……ドアの向こうで、主人が答えている声が聞こえてきました。

その時点で、私も息子もひと安心して、診察の結果を待っていました。



5分、10分、20分…



じっと待っている時ほど、時間の流れは遅く、腕時計に何回目をやったことでしょう。

その時です。今まで静まりかえっていた空気が急に変わりました。



突然、ギィー、ギィーという音がしました。



それも連続して聞こえてきます。

何、この音?……ちらっと気になりました。

でも、心配はしていませんでした。



つい先ほど、主人のしっかりした返事を耳にしていただけに、

不安はありませんでした。



それから何分くらいだったのか、私には覚えがありません。

ドアが開いて、先生の姿が目に入りました。



そして、「今、ご主人の心臓が停止しました。

 担当医が心臓マッサージを繰り返していますが、かなり厳しい状態です」

と告げたのです。



一瞬、わが耳を疑いました。ハッとわれに返り、

「たった今、落ち着いてきたと、主人の声がしたのですよ。何を言っているんですか」

と、先生につめよりました。



先生は、

「急性心筋梗塞です。今、必死で心臓マッサージを続けていますが、

 これを止めた時点で、お気の毒ですが……」

そう説明すると、またドアの向こうに行こうとしていました。



息子は大きな声で、

お金はなんぼかかってもいい、最高の手当てを続けてくれ、

 絶対、マッサージの手を止めるな!」と怒鳴りました。

先生は、

「出来る限りの力を尽くします」

と、声を残して、再び、ドアの向こうに消えていきました。

私の頭の中は真っ白でした。

突然のこの出来事に何をどうしていいのか、わからないのです。

息子は、主人の兄妹、会社の人、そして、昨年お嫁に行った姉へ、電話をしてくれました。



家では、末子で高校一年の妹も、じっと安否を気づかっていましたが、

お兄ちゃんに急を告げられ、病院へ飛び込んできました。

ピタリと足を止めた場所から一歩も動かず、椅子に座ろうともせず、

直立のまま、無事を祈り続けていました。



厳しい状態が続きました。

ドアの向こうから、あのギィーギィーという音だけが聞こえてきます。。

どうすることも出来ないまま、時間は刻一刻と流れていきました。



その時、長女が目に涙をいっぱいためて、飛び込んできました。

じっと様子を見守るだけの私たちの前を、急ぎ足で通り過ぎたかと思うと、

ドアを開けて、主人のそばへかけ寄りました。

医者の止める間もありませんでした。

これまでに見たこともない長女の姿に、

私は驚きを隠すことができませんでした>>>

あなたたちがお父さんを死の淵から呼び戻したのです

父さーーん、ガンバッテ―、ガンバッテ―」



細い体のどこから、あんな大きな声が出たんでしょうか。

あのおとなしい長女の必死の叫びでした------。

あとから分かったのですが、この時、主人は真っ暗闇のドアを開けて、

大勢の人たちと、どこかわからないけれど、歩き出していたというのです。

それから1時間15分後、

「心臓が動き始めました」と、先生が再び、ドアの向こうから姿を見せてくれました。

その言葉を聞いて、居合わせた皆で、よかった、よかったと、手を取り合ったのでした。



しばらくは、あふれる涙をどうすることも出来ませんでした。

たった一つの大切な命を、今、こうして、守ってくれたのは、

私たちの三人の子供たちでした。



あの時、「手を休めるな!」と怒鳴ってくれた息子よ。

「お父さーーん」と叫んでくれた娘よ。

天を仰ぎ、必死で祈ってくれた末っ子よ。


あなた達のおかげで、お母さんはまた、

幸せな生活をお父さんと続けていくことが出来ました。



ありがとう。本当にありがとう。

参考本:「心に残るとっておきの話」(潮文社編集部)

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